人生カレンダー～ディケイドはとてもでっけーど～

元旦は滋賀の山村に在る
実家に帰省するつもりなのだが、
気温が一桁だって。

いやすぎる。

まさにこの一年も
終わろうとしているのだな、と、
トイレのカレンダーを見つめ
思ってしまうワタクシ。

いまトイレの壁に貼ってあるのは
今年のお正月近辺にエドウィンで
ジーンズを買ったらもらえた
デニム生地の
一枚もののカレンダーなのよね。
一年の経過が量で判るというか。
365日を歩んできたのが
ドラクエとかの攻略本の
画面貼り合わせで作成した
大陸の地図のように
眼でみて実感できるのよね。

ふうう～、と思うよね。
ほわあ～、とも思うよね。

マスコミでは示し合わせたように
今年の10大ニュースなど挙げてみて
一年の総括をする
時期にさしかかっており。
おのれも試みてみるのだが。

それが。

10もありますか。

あほゆったらいけませんありますかいな
と答えざるを得ないであろう。

まあ順当にいって
第1位は結婚したことであろう。
それから人生の
悲喜こもごも、という点では
祖母の逝去、というものも
２位か３位には入ってくるだろうと、
このあたりは確定である。
つづけて悲しいことだけを書けば、
音信不通のうちに
同級生がやはり
この世を去っていたことを
後で知ったりもした。

そんなあれこれについては
思いを巡らせもするのだが、
やっぱり10もありますかいな、である。

そもそもこの一年がどっからだったか
最近、それすらも
あやふやなので困る。
今年の出来事とばかり
思っていたことが
あるきっかけでじつは
去年だと判ったりしてけっこうショック。

それもそのはずで、
じつはワタクシもうけっこうな歳なのだ。
トイレの壁の
デニムのカレンダーを見つめつつ
自分の人生を
量で確認してみようと試みたところ、
かなり驚愕の事実に直面した。

ワタクシ来年は年男の
36であるからして、
もし72で死ぬと考えると、もうすでに
一生の半分を来たことになる。

それは1年分のカレンダーで云うと
6月末なのだ。
もし一生を一年に置き換えると
6月後半になっちゃっている
計算なのだ。

ふうう～、と思うよね。
ほわあ～、とも思うよね。
あふううう～とすら思うよね。

（この換算では
1年が5日ということになり、
一か月はおおよそ6年である。
だから36歳を終えた時点で
7月に突入。
いまは6月25日あたりである）

そこでワタクシは、はたと手を打つ。
青春ってそういうことだったのか、
って気づくのである。
春のあたりなのである。
3月が13歳から18歳だろう。
4月が24歳まで、
5月が30歳だわな。
もう6月が終わりかけているんだから
まるっきり青春じゃないのである。

おそろしいい～。

もう半分きたのか、
まだ半分あるのか。

……あんまり考え過ぎると
鬱病を発症しそうなので
このへんでやめちゃおうっと。

来年は2010年というわけで、
もう仕事的にはオンエア日が
「10年1月某日」とかのクレジットも
入れちゃっているわけであるが、
あまりにピンとこねーなっていう。

10年て。
生まれてこの方、
そんな数字の年号を
書いたことがないもんだから。

ま、それを云えば今までの
ひとケタ年だって
最初は面喰っていたに
違いないのだが。

このひとケタ年、
或いはゼロ年代ってのは
ほんとうに日本自体なんか
鬱屈したディケイドだったなあと
思い返しちゃうのである。
湿った綿ボコリと抜け毛がからんだ
ねずみ色の塊みたいな10年だった。

で、ここから新たな10年が
2010年という、数で幕を開ける。

共感覚的な
「ビジュアルでみる文字の美しさ」
からいってもこう、
ゆで卵のように艶やかで弾力があり
潤っている感じの
クリーム色の数字になるわけだが、
（そう、2010はワタクシにとって
ゆで卵に似た感じを受ける数字です）
年自体もその色艶にそぐう
いい年になるのかなあって考えるも
もう全く茫洋として曖昧模糊の五里霧中、
海砂利水魚の雲行末水行末である。

ほんまどないなんのかなー。
いつもココロのどこかで
つま先立ちで、
何かに重心をすべて預けないよう
用心して
生きていかなければならない気がする。

いまは年末の静かな、ひとときである。
ワタクシと妻は大掃除をひと通り終え
（ほとんど妻がしました）
ぽかんと空いた時間を
冷たい曇り空の下の橙色の明かりの中で
ゆっくり過ごしている。
あたたかくて平和である。
悩み事はとくにない。
唇がカサカサになってイヤだな、くらいである。

来年のことはともあれ、
どうにか無事に今年も
一年を過ごせたということを
最大の収穫としたい。
皆みな様にも感謝感謝。

あと数時間ですっげえおしゃべりな
ジャニヲタの従妹が泊まりに来る。
それまでの、くつろぎである。